設計事務所に未来はあるのか

「国立競技場とエンブレムデザインから見えてくるものは-みんな仲良くやればうまくいくさの甘えの構造」

 

 ・今でも疑問に思うのは、なぜ安藤忠雄氏がZaha案に最後までこだわったのかということである。
 その後、しばらくすると佐野研二郎氏のエンブレムのコピペ問題と、それを一斉に報じどこもが執拗に同じことをくりかえしたTVをはじめとしたマスコミ報道である。
 ところが、今度は全く追跡報道もしないという各社の横並び姿勢である。本当に、日本にまともなマスコミは存在しないのだろうか。

 この二つはずっと疑問となっている。

 

 ・日本のデザイン業界の特異性とも言うべき問題がなにも解決されないでうやむやになろうとしている。その程度で済んでしまって、却ってホッとしている人間が多くいるこのけったいな業界には、今すぐメスで大手術しないといけないのに-と、思っているのは私だけか。

 

 ・建築家やイラストレーターは、画家や音楽家とは根本的に異なっていると思う。これらの人の行うデザインというものに完全なオリジナリ ティが果たしてあるのかというとないと言えなくもないのが本当のところである。
 最後までザハ案にこだわった安藤氏を見ていると、この業界の特殊な部分がうかがい知れる。というのも、立場が逆転するようなことが よくあるからで、有名な建築家はお互いをよく知っていて、初めての相手ではないのである。つまり、時と場を変えれば全く同じ立場であ り、互いに補い合うこともないとはいえない。

 

 ・WEB上で、誰かのデザインをコピペする、Mr.Design(=佐野研二郎氏)というデザイン事務所にしても、直接だれがやったかそんな  低次元の話でなく、実際のところオリジナリティが感じられないのが正直な感想である。

 

 ・デザインの業界では売れっ子になると、次から次へと仕事が入ってくる。(うらやましい面もあるが)また、売れっ子や変わったデザイン などマスコミ業界が取り上げたがり、これが受けると、いつの間にかブランド化していく。
 広告会社も企業も名前が売れていると、だれだれのデザインとしてブランド商品化していく。そうすると、けったいなものでも売れていくらしい。

 

 ・正当な評価ではなく狭い業界でいつの間にかつくられたブランド商品が堂々と表に飾られるのは、逆に特異なことなのではないかと思 う。マスコミ業界も未成熟であり、もっと大人の品格を持って行動してもらいたいものだ。

 ・我々は、つくり上げられたまやかしの評価を見破るだけの判断力と知性を持たなければならない。

 ・あざ笑うかのように、建設業界は杭の偽造データで右往左往し、マスコミはここぞとばかり取り上げ批判ばかりしている。いつになったらこのパターンから脱出できるのだろうか。